病気

胆嚢粘液嚢腫

みなさんお久しぶりです。

すっかり暑くなりましたね。

こんな私は毎日アイスクリームを食べる不摂生しております。昨年は爽のチョコミントにはまりました!

 

今回は最近増えている胆嚢粘液嚢腫という病気についてお話しします。

胆嚢粘液嚢腫は、胆嚢という消化液(胆汁)を貯めておく袋の中身が徐々に粘性をもちゼリー状になってしまう病気です。

中年齢から高齢の犬に発生することが多く、胆嚢が破裂してしまって腹膜炎を起こしたり、胆管が詰まってしまう危険な病気です。

IMG_3826

原因は不明ですが、遺伝の関与やホルモンの病気、高脂血症などが関与していると考えられています。

できるだけ、早期に発見して治療するか、進行している場合は手術をすることになります。

そういうわけで、下記の症状が見られた場合はすぐに病院に来てください。

・元気食欲がなくなる

・吐いたり、お腹を痛そうにする

おしっこが真黄色!

多くの症例で黄疸が出るのでおしっこが真黄色になります。皮膚が黄色くなるのは尿が黄色になってから1週間以上経過してからなので、おしっこが真黄色!時点で気付いてあげてください。また、症状がなく健康診断で偶然見つかることも多いです。

詳しく治療の説明をしていきます。

状態が安定していれば薬やご飯で治療します。胆嚢の中の胆汁の流れをよくする薬を毎日飲んで月1回から数ヶ月に1回超音波でチェックしていきます。ご飯は低脂肪食など食べます。

しかし、胆嚢が破れていたりして腹膜炎を起こしている場合や、胆管の流れがゼリーによって悪くなっている場合は完治を目指して胆嚢を切除します。

ちなみにこれが摘出した胆嚢とその中身です。

IMG_1834
medical_photo_114ac957-ff42-4c30-af95-6e4bf5cb013b本来なら液体で満たされているのですが、もはやスーパーボールのような硬さです。

当院ではこの手術を1ヶ月に1回は行う比較的多い手術です。

手術前の状態にもよりますがおよそ1週間程度の入院で元気なって帰っていきます。

ですが、胆嚢粘液嚢腫は急激に悪化しうる病気で、時に命を落とす怖い病気なので気をつけてください。

それと、健康診断で血液検査でALKP(アルカリフォスファターゼ)があっがている子は念の為胆嚢のエコー検査をやりましょうね!この病気が見つかることがありますので。

 

最後になりましたが、予約システム完成間近です。

獣医師 高橋