犬の胆嚢切除

こんにちは。

今月は犬の胆嚢切除についてお話ししたいと思います。

まず、胆嚢は肝臓の方形葉と内側右葉の間に位置し、内腔に胆汁という液体を溜め込んでいます。胆汁は脂質の消化吸収や脂溶性物質の排泄、胃酸の中和などに関与し、いったん肝臓で作られた後、胆嚢に運ばれて濃縮されます。そして食事の際などに総胆管を通じて十二指腸に排泄されます。胆汁に含まれる必要な成分は再び小腸で吸収され、門脈を通り肝臓に運ばれます。この一連の流れを腸管循環と呼びます。

胆嚢の切除が適応となる症例としては、胆石症、胆嚢粘液嚢腫、胆嚢腫瘍、胆嚢炎、胆嚢の壊死及び破裂などが挙げられます。

胆嚢は切除しても腸管循環が維持されていれば問題がありません。術式の流れは以下の通りです。

開腹し胆嚢を確認した後、胆嚢を牽引しながら周囲の肝臓から慎重に胆嚢を剥離していきます。胆嚢を胆嚢管付近まで剥離出来たら、胆嚢頚部で胆嚢動脈と一緒に結紮し切除します。肝臓に胆汁鬱滞の影響がないか、腫瘍性病変がないかを確認するため肝臓生検を実施します。胆汁性腹膜炎を疑う際は、腹腔ドレーンを設置します。最後に肝臓の剥離部分と生検部分から出血がないことをしっかりと確認し閉腹します。
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必要に応じて、総胆管十二指腸ステント設置を追加したり、胆嚢十二指腸吻合術、新総胆管十二指腸吻合術などのより難易度の高い術式に変更しなければいけないこともありますが、胆石や胆嚢粘液嚢腫を早期発見し重症化する前に手術を行うことで回避できることが多いです。

高齢犬になるほど無症状でも胆嚢疾患になっているケースが多いため、健康診断で肝臓の数値が上昇している際はエコー検査で胆嚢と肝臓のチェックしていきましょう。

獣医師 澤

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