うさぎの食滞

こんにちは。

今月は、来院数が増えてきたウサギちゃんのお話をしてみたいと思います。

ウサギちゃんは食事の消化や吸収の面で他の動物とは違った特徴のある生き物です。基本的には草食で、食事に含まれる長繊維によって腸を蠕動運動させます。盲腸まで運ばれた食事は盲腸内の微生物により発酵分解され、肛門からいったん盲腸便として排出し、口から再摂取することで食事に含まれるセルロースをタンパク質やビタミンに分解して吸収しています。

この特徴的な性質によって起こしやすい病気が『食滞』による胃拡張や盲腸鼓腸です。

ウサギちゃんが歯科疾患や消化器疾患、痛み、ストレスなどによって食欲低下を呈すると、長繊維が不足し、腸の蠕動運動が低下するため、胃や腸にガスが溜まります。悪化すると軽度〜重度の痛みを伴うため食欲の低下がさらに進行し、肝リピドーシスも併発するといった悪循環に陥るため大変危険です!

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原因や症状によって処置は異なりますが、①原因疾患の治療、②点滴による水和、③投薬や強制給餌による腸運動の改善、④痛みの緩和、⑤適度な運動と腹部マッサージが基本的な治療になります。

重症例では麻酔処置下での減圧術が必要となることもあり、ショック状態では命に関わることも考えられます。

また、同じような食欲不振と腹部膨満の症状でも『物理的なイレウス(腸閉塞)』を起こしている際には、緊急の外科手術が必要となります。食滞などの『機能的イレウス』との鑑別が大切となるため、家族からの問診がとても大切です!

ウサギちゃんの食欲が低下した際には、お腹の張りが出ていないかをよく確認し、できるだけ早く相談してもらえたらと思います。

以上、今月はウサギちゃんのお話でした。

獣医師 澤

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