水の飲み過ぎは病気のサイン?
「なんだか最近は暑くなってきているから、うちの子はいっぱい水を飲むようになりました。おしっこも増えた気がします。」
実はそれ、何かの病気のサインかもしれません。
今回は、犬における「多飲多尿」についてお話させて頂きます。
・「多飲」について
まずは、犬の「多飲」はどうやって判断するのかを解説します。
一般的に犬の1日の水分摂取量は体重1kgあたり40~60mlと言われています。
これが、1日で体重1kg当たり90~100ml以上になってくると、「多飲」の状態であると判断します。
例えば、体重5kgのワンちゃんの場合は、1日で500ml以上のお水を飲んでいると「多飲」になります。
しかし、これからの夏場は、激しい運動などによって一時的に水をたくさん飲むことがあるかと思います。判断のポイントは、この「多飲」状態が何日も続いている、というところになります。
・飲水量の測定方法について
500ml、2Lなどちょうどよいサイズのペットボトルにお水を入れて、そこから飲水用のお皿などに分けてあげてください。そして一日の終わりにペットボトルの水がどれくらい減ったかを見ることでおおよその量を把握することができます。
・「多尿」について
次に、尿量についてですが、こちらは1日で体重1kg当たり50mlを超えると「多尿」となります。しかし、尿量を正しく測定するのは難しいと思いますので、
・いつもより明らかに色、においが薄くないか
・たくさん出ていないか?
を注意してみて頂くとよいと思います。
・多飲多尿の原因となる病気?
糖尿病
副腎皮質機能亢進症
副腎皮質機能低下症
甲状腺機能亢進症
慢性腎臓病
尿崩症
子宮蓄膿症
心因性多飲
などたくさんあります。
これらの病気の詳細については、またどこかのブログでお話させて頂きたいと思います。
愛犬が、ただ水をたくさん飲んでいるだけで、その他の体調に問題がない場合であっても、うらに上記のような病気が隠れている場合がございますので、多飲多尿に気が付かれた際は、ぜひ早めの受診をお勧めいたします。
獣医師 木村