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食道裂孔ヘルニア

こんにちは、獣医師の木村です。

今回は、比較的まれな疾患である、食道裂孔ヘルニアについてお話します。

 

食道裂孔ヘルニアとは、体の胸とお腹を分けてる横隔膜に存在する食道裂孔という穴に異常があり、本来はお腹側にある胃の一部が胸側の空間に出てしまう現象をいいます。

 

この病気はいくつかのタイプに分類され、

1.滑脱性食道裂孔ヘルニア(タイプ1)

2.食道周囲性裂孔ヘルニア(タイプ2)

3.タイプ1と2の併発

4.胃食道重積、またはタイプ3+その他の腹部臓器の逸脱

 

とされており、やや複雑になっています。

タイプ1のヘルニアが最も多く、ほとんどが1歳未満での先天性の食道裂孔ヘルニアになります。

 

好発犬種は、シャー・ペイとイングリッシュ・ブルドックですが、後天的には短頭腫(パグ、フレンチブルドックなど)での短頭種気道症候群も原因になるので注意が必要です。

 

症状としては、嘔吐やよだれ、咳、早い呼吸などが挙げられます。軽度の場合は無症状のこともあり、X線検査をしたときに偶発的に発見されるケースもあります。

 

診断は、X線検査、造影X線、X線透視検査で行います。(下図:無徴候タイプ1)

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治療は、基本的には外科手術になりますが、このような軽度なタイプ1で無症状の場合は必ずしも治療の必要はないとされています。その他のタイプかつ症状が出ている場合は、生死が関わるリスクもあるので外科手術が適応になります。

 

軽度な場合が多いのはもちろんですが、慢性の気管支炎や短頭腫気道症候群など呼吸器疾患を持っている場合や、肥満傾向のわんちゃんは、この病気の発症または悪化要因になりうるので、そのような症状が続く場合は早めに治療してあげましょうね。

 

獣医師 木村