病気

猫の心筋症

こんにちは。

今回は猫ちゃんの心筋症についてお話ししたいと思います。

心筋症とは心臓の筋肉が分厚くなったり、ペラペラになったりすることで拡張障害(内腔に血液を貯めれなくなる状態)や拍出量の減少(血液を十分量吐き出せなくなる状態)を招く疾患でもちろん命に関わります。

猫ちゃんの心臓病で多い疾患は心筋症であり、その心筋症にもいくつかの種類があります。内訳は肥大型(60%)、拘束型(20%)、拡張型(15%)、不整脈原生右室心筋症(5%)、分類不明心筋症(5%)となっています。

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心筋症を疑う要素としては、血液マーカー(BNPやトロポニンI)の上昇、不整脈や心雑音、うっ血徴候、猫種(メインクーン、アメショー、ラグドール…)などになります。軽度では症状がないことが多く、逆に症状(特に失神や動脈血栓塞栓症)を伴う場合には予後が長くありません。辛いですね…

診断の主役はエコー検査です。が、なかなか猫ちゃんは嫌がることが多いので難しいです。ただし、どうしても必要な時には精神安定剤を内服してきてもらったり、鎮静をかけて検査することも可能です。健康診断で心雑音や不整脈を聴取したり、血液マーカーを基準に検査することもありだと思います。

また、診断を下す前に基礎疾患がないかを確認することも大事です。

気になる症状がなくても一度診察を受けてみたいなと思われた方はお気軽にご相談下さいね。

 

獣医師 澤