病気

慢性腎臓病の食事での栄養

皆様こんにちは!

今回は腎臓病の食事について、特に慢性腎臓病の食事管理を主体としたお話ししていこうと思います。body_jinzou_good

腎臓は尿を作ること以外にも様々な機能が備わっています。人でも塩分が高いものが腎臓に悪いと言われていると思いますが、動物にも腎臓病を悪化させてしまう栄養があります。何に注意すべきか紹介させていただきます。


①タンパク質

タンパク質はエネルギー源として活躍する一方、尿素窒素として腎臓で濾過され、尿中に排泄されます。タンパク質を過度に摂取することで、腎臓が濾過するためにより働きかけ、さらに腎臓に負担がかかってしまうことからタンパク質の制限が重要となります。

②リン(P)

リンは体内で骨や歯、細胞などの成分となります。腎臓病が進行すると尿中にリンが排泄されず、体内に過剰に蓄積されます。これがより腎臓病を悪化させる要因となるのでリンの制限も重要となります。

③ナトリウム(Na)

腎臓病が進行すると、濾過機能も低下し体内のナトリウムがうまく排泄できず高Na血症となってしまいます。これにより高血圧のリスクとなります。Naにおいては欠乏することは稀ですが、過度に制限することで脱水や腎臓に送られる血液量が減少してしまう恐れがあります。

④水分

腎臓病により体内の水分が尿として多量に排泄されるようになり、脱水を引き起こされます。これを避けるため家での水分補給は重要です。腎臓病がかなり進行すると、食事や飲水だけでは水分を補うことが難しくなってくるので、動物病院での点滴や水分補給を行う必要があります。

⑤脂肪酸

腎臓の毛細血管での炎症が原因で腎臓の機能が低下する場合があります。そこで、必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸はこの炎症を緩和すると言われているので、腎臓病の子への摂取は効果的となっています。

 

腎臓食はこれらの成分についてバランスが考えられているものが多く、種類もさまざまとなっています。もし、腎臓食やサプリで気になることがあれば気軽にご来院ください。

また、今回は食事について紹介させていただきましたが、症状などに合わせて治療薬や点滴が必要になることがあるのでそちらも合わせてご相談ください。

獣医師 日向野