犬が肢を舐める理由について

今回は、わんちゃんで相談されることの多い、肢を舐める行動についてお話します。

この肢を舐める行動は、「肢端舐性行動」と呼ばれます。ざっくりと鑑別診断リストを挙げると、

・痛みがある(骨折、怪我など)

・違和感がある(神経障害、トリミングの影響など)

・かゆみ(細菌性、真菌性、アレルギー性皮膚炎など)

・行動学的要因

に分けられます。

この中で、上から3つに関しては、検査によって診断をつけることができる場合がありますが、行動学的な原因がある場合は、基本的に除外診断になるため、鑑別が難しくなります。

また、上記3つとの併発・続発が生じることもあり、その場合は鑑別をさらに複雑にします。

今回は、そんな特に鑑別が難しい「行動学的要因」が関係する場合にフォーカスを当てていきたいと思います。

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まず、行動学的要因として挙げられるものは、

転位行動・・・様々なストレスを軽減するための行動(八つ当たりのようなもの)

常同行動・・・正常な維持行動が、異常な頻度、状況で行われ、正常な機能が妨げられたもの

                                    ➡ヒトの強迫性障害と類似 例)手を洗わないと気が済まない。

分離不安・・・飼い主からの分離による不安から起こる行動

関心を求める行動・・・飼い主の気を引くための行動

になります。

これらは、主に問診から特徴を得ることが重要になってきますが、ポイントは

・どんなシチュエーションでおこるか(散歩中、遊び中、起床時、就寝前、自由時間、留守中など)

・飼い主がいるとき、いないとき、もしくは関係なく起こるか

などがあります。

 

治療方針について

治療方法は、基本的に行動を修正してあげることになるので、それぞれの特徴に合わせた治療が必要になります。

例えば、転位行動であれば、ストレスの発散先を、おもちゃ(知育トイなど)や遊び、運動に変えてあげる行動置換という方法があります。

行動修正を施しても治らない場合は、抗うつ薬などの薬物療法サプリメントも効果的な場合があります。

そして忘れてはならないのが、実はアトピー性皮膚炎だった場合や、続発して起こった皮膚炎などを見逃さずにしっかり治療してあげることになります。

本人は痒くてたまらず舐めているのに、「気のせいだから運動してこい!」なんて言われたらしんどいですもんね(笑)

 

このように、前肢を舐める行動は、一目見ただけでは鑑別が難しいものになります。

わんちゃんのこのような行動にお困りの方は、ぜひご相談いただけたらと思います。

 

獣医師 木村(足の裏がかゆい)

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