フェレットのインスリノーマ
まだまだ寒い冬、近づく春、それぞれ期待と不安の中で今を過ごしていることでしょう。
前置きはさておき、今回はフェレットのお話しになります!!
フェレットを飼われている方はこんな症状でたら注意してください、どんな病気か知っておいてください、フェレットのインスリノーマについて解説します(^O^)
<インスリノーマとは>
膵臓の働きの1つで、上がった血糖値を下げるために、β細胞というところからインスリンというホルモンが放出されます。インスリノーマはこのβ細胞が腫瘍化し、過剰にインスリンが分泌されることで低血糖を引き起こします。発症はおおよそ4歳あたりからみられ、悪性が多いと言われています。
<症状>
- よだれ
- 後肢のふらつき
- 食欲不振
- 痙攣
- 元気消失
などの症状がみられます。
<診断>
症状と合わせて主に血液検査(血糖値やインスリン濃度)で診断されます。超音波検査やレントゲンでは他の疾患の除外目的で行われることもあります。
<治療>
・内科治療
当院ではステロイドによる血糖値上昇によっての内科治療を行なっています。インスリノーマでは生涯にわたって投与することで血糖値のコントロールを図りますが、時間経過とともに増量が必要になったり治療反応に乏しくなることが多いです。
・食事管理
主に動物性たんぱく質を主体とした食事管理が必要になります。食事を摂ることで血糖値上昇も見込めるため、しっかりとした食事量を給与しましょう。また、低血糖を恐れてバイトや甘いおやつを与えるとかえってインスリンが過剰分泌され低血糖を助長させてしまうためこれらの給与は避けましょう。
・外科手術
治療選択として外科手術が1つの手段となりますが、多くの場合数ヶ月後には血糖値が管理できず、2回目の手術や内科治療への切り替えが必要になります。また、インスリノーマでは術前から膵臓腫瘍を確定できないことがおおく、麻酔リスクもあるため年齢や動物の状態などを考慮しながら判断しています。
以上がインスリノーマの説明となります。今回記載させいただいた症状がみられましたら一度当院へ受診されることを推奨いたします。
獣医師 日向野