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SCCEDs(スケッツ)とは?
今回は前回の角膜潰瘍に関連したお話です。
SCCEDsとは特発性慢性角膜上皮欠損で、ボクサー潰瘍などとも呼ばれます。
角膜実質の表面に無細胞の硝子膜が形成され、潰瘍周囲の再生した角膜上皮が実質に上手く接着できずに不整に増殖する角膜疾患です。
中年齢以上の犬で発症し、1~2週間角膜潰瘍の治療をしても治らない角膜上皮びらんです。
適切な治療を行わなければ、数ヶ月から数年以上の長期にわたって症状が継続します。
発生する部位としては、潰瘍の中心部やその周囲に形成されます。
症状
血管新生は6割くらいの症例で見られると言われています。
血管新生の程度は様々で辺縁部に多い傾向にあります。
疼痛の程度は様々で、慢性化とともに減っていく傾向にあります。
眼の表面が白く濁ったり、流涙、眼脂が見られたりします。
治療
点眼治療が奏功しない場合は、外科的な治療の介入が必要です。
以下を単独または併用して行います。
・デブライドメント(点眼麻酔下で)
→滅菌綿棒やダイヤモンドチップバーなどで表面を削る
・角膜切開(全身麻酔下で)
→格子状切開(正常角膜0.5~1.0mmの範囲)、多穿刺(0.5~1.0mm間隔)
・ソフトコンタクトレンズ
・眼軟膏
予後
再発しやすいため、症状が軽度でも適切な治療を早期に行うことが大事です。
角膜潰瘍が悪化して傷が深くなると穿孔し、最悪の場合失明することもあるため眼をしきりに掻いている場合は特に注意が必要です。
気になる症状が出ている場合はお気軽にご相談ください。
獣医師 児島🐾