役立つ話

狂犬病

狂犬病とは

狂犬病は世界中で年間数万人が死亡する人獣共通感染症です。

狂犬病ウイルスに感染している哺乳動物(犬・猫・コウモリ等)に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からウイルスが体内に侵入することで感染します。

発症後の有効な治療法はなく、ほぼ100%死亡してしまう危険な感染症です。

狂犬病は感染してもすぐに症状がでないことが多く、潜伏期間は通常1〜3ヶ月、長い場合には感染してから1〜2年後に発症することもあります。

発症後助からないのは、ウイルスが脳に感染してしまうからです。

最終的に生命機能に重要な中枢を破壊するため命を落とします。

なお、ウイルスが脳に到達するまでには期間があり、足など脳から遠いところであるほど期間は伸びます。

発症は脳に到達してからなので到達していない段階で治療を受けることが致死率を下げるために重要です。

世界の発生状況

世界保険機構(WHO)などによると世界では、アジア、アフリカ、中南米を中心に年間5万5000 〜6万人の狂犬病死亡者が報告されています。

狂犬病清浄国

世界で狂犬病が発生していない国・地域は数少ないですが存在します。

オーストラリア・ニュージーランド・日本・フィジー・キプロス・ハワイ・グアム・アイルランド・イギリス・ノルウェー・アイスランドの11の国・地域だけです。

約200を数える国や地域の中で、狂犬病清浄国は非常に稀で貴重な国・地域であることがわかります。

清浄国だったのに…

最近では、2013年9月に狂犬病清浄地域とされていた台湾において野生動物(イタチアナグマ)に噛まれた仔犬が狂犬病を発症しました。

同年11月付けでイタチアナグマ215頭、ジャコウネズミ1頭の発生が確認されています。

日本の狂犬病予防対策

日本では以下の対策が取られています。

1.狂犬病予防法により犬の飼養者に以下のことを義務付けています

  • 飼い犬登録をする
  • 毎年1回狂犬病の予防注射を犬に受けさせる
  • 登録時に交付される鑑札、予防注射後に交付される注射済票を犬につける

2.野犬の捕獲

3.海外から来る動物の検疫

対象動物:犬・猫・キツネ・スカンク・アライグマ(コウモリは輸入禁止)

4.人を咬んだ犬について狂犬病の検診を実施

なお、大阪府では4に関連して、大阪府動物の愛護及び管理に関する条例第4条第3項により、【飼犬が人を咬んだことを知ったときは、その犬の飼養者は、直ちにその旨を知事(保健所)に届けなければならない】と定めています。

まとめ

狂犬病注射は、病気や健康状態が悪い場合、獣医師の判断で猶予証明書が発行されますが、それ以外では必ず毎年1回打たなければなりません。

日本は清浄国ではありますが、狂犬病ワクチン接種率が下がってきています。

令和5年度末時点で全国平均約70.2%と、WHOが推奨するまん延防止基準の70%のギリギリの状況です。

長年、国内で狂犬病発症者がいないのが理由だと思いますが、狂犬病清浄地域であった近隣の台湾で、約50年ぶりに狂犬病が発生しています。

そのため、日本においても狂犬病に感染した犬等が海外から入ってくることが危惧されており、いつ国内の犬等に感染事例が発生してもおかしくない状況です。

狂犬病が日本に侵入した場合であっても、できるだけ多くの犬が予防接種を受けておくことで、流行の蔓延を防ぐことができます。

当院でも狂犬病の予防接種を行なっていますのでぜひご来院ください。

参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou18/kyokenbyou.html

くらつ😼