病気

歯原性嚢胞🦷

歯が形成され、歯茎を破って口腔内に出てくる過程に関連して口腔内にできる嚢状構造物を歯原性嚢胞と呼びます。
歯肉がぷっくり膨らんでいるのを見かけたらこれかもしれません。

歯原性嚢胞は猫ではあまり見かけず、見られるとしたら犬が多いです。
嚢胞の中には液状の内容物を含み、犬では含歯性嚢胞、歯原性角化嚢胞、歯根嚢胞の報告があります。

含歯性嚢胞は、歯冠が形成され始めた後に、エナメル質の形成を担うエナメル器に嚢胞が生じたものです。口腔内に出てきていない歯の歯冠周囲に残る退縮エナメル上皮が袋を作って拡大します。
一般的に、嚢胞腔内に1本から複数本の未萌出歯を含んでいます。

萌出障害が起こりやすい犬種:チベタン・テリア、チャイニーズ・クレステッド・ドッグなど
短頭種では下顎の第1前臼歯、チワワでは上下の下顎犬歯に多いとの報告があります。

見た目

歯原性嚢胞は、波動感のある軟らかい膨らみが特徴です。
嚢胞腔の中には嚢胞液を含み、この液体は血管からの滲出液や漏出液に由来します。
上皮成分以外に変性物やコレステリン結晶を含んでいることもあります。

症状

通常無症状です。
感染を伴うと痛みが出る場合もあります。

診断

身体検査や口腔内レントゲン検査、病理組織学的検査などにより診断します。
嚢胞が大きくなると圧力がかかり、嚢胞周囲の顎骨が破壊されてしまいます。
しかし、進行はゆっくりなため、ある程度の年齢になってから発見されることもあります。

嚢胞が大きくなりすぎると隣接した歯が圧迫されて歯の変位や歯根の吸収などの問題を引き起こす場合があるため早期の治療が必要です。

治療

嚢胞部の患歯の抜歯と嚢胞壁上皮の除去を実施します。
一般的には未萌出歯と嚢胞壁上皮を全て除去できれば治癒します。

デンタルケアをする際に、歯茎の膨らみが気になった方はお気軽にご相談ください。

獣医師 児島🐾