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肝臓腫瘍(外側左葉)の外科手術

こんにちは
梅雨が終わりそうで終わらない毎日ですが皆さん元気にお過ごしでしょうか?
わんちゃんたちはお散歩に行きづらく、ねこちゃんたちは雨音にストレスを感じているのかな?
早く気持ちの良い晴天が訪れないかと願う毎日ですね

さて今月は肝臓の外科手術(外側左葉)にできた腫瘍の手術についてお話いたします

わんちゃんの肝臓は大きく分けて7つの葉に分けられており、それぞれ左側から①外側左葉、②内側左葉、③方形葉、④尾状葉乳頭突起、⑤内側右葉、⑥外側右葉、⑦尾状葉尾状突起となります
また、外科手術を考える上では『血流』や『領域』も考慮する必要があるため、これら7葉を3つの区域に分類して考えることも大切です
要するに、①②を左肝区域、③④⑤を中央肝区域、⑥⑦を右肝臓区域に分けて考えます

また、肝臓に出入りする脈管系も大事です
スポンジのようなフワッとした組織(肝臓実質)の中に肝静脈、肝動脈、肝管、門脈が入り込み栄養供給などを行っているため、これらの血流をしっかりと遮断して切除しないと大量出血を起こしてしまうことになります
これらはアウトフローと言われる肝静脈とグリソン鞘に包まれる肝動脈、門脈枝、肝管などのインフローに分けられ、それぞれをしっかりと遮断することがオペの成功に直結します

最後に肝臓を腹壁に固定している膜についてです
①横隔膜に固定される三角間膜
②胃の小弯に連続する肝胃間膜
③十二指腸に連続する肝十二指腸間膜
切除領域にもよりますが、以上の3つの間膜を切離することで肝臓の自由度が増して肝臓を体外に引っ張り出しやすくなります

さて、ここまでが解剖学的なお話でここからが外科手術の手順となります
今回は肝臓の外側左葉にできた腫瘤のお話になりますので、オペの内容は腫瘍を含む外側左葉の摘出術です
以下に簡単な手順をまとめていきます
①開腹
②癒着を剥離
③三角間膜の処理
④グリソン鞘ごとインフローを処理
⑤アウトフローの処理
⑥肝臓実質の処理
⑦肝臓腫瘤ごと外側左葉を切離
⑧出血の確認
⑨閉腹

以上、簡単にまとめてみましたが難易度が高く難しいオペの一つとなります
オペが可能な動物病院も限られるため、手術を検討されている場合はご相談いただけたらと思います

獣医師 澤