断尾
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おはようございます。
今月は断尾術についてお話しします。
断尾はテリア種やトイ種、シュナウザーなど幅広い犬種で生後3~5日で行うケース、また尾の腫瘍や難治性の自咬症などでも行います。
尾の切除部位は目的によって変わります。例えば子犬の断尾術ではコーギーは椎骨1つ分を残し、トイプードルでは尾の1/2~2/3を残します。また腫瘍や感染が原因の場合は2~3cmの正常な組織マージンを残して切断すること、自咬症が原因の場合はできるだけ短くなる様に肛門の近くで切断することが望ましいとされています。
今回、紹介する症例は猫の尻尾に発生した皮膚メラノーマに対する部分的断尾術です。
まず切断する部位を決定し、その切断する椎体の中央を背側→腹側に向かって斜めに皮膚切開します。血管からの出血に注意しながら筋肉と皮下組織を椎体から剥離し椎体が確認出来たら、椎間を外科用メスで外し尾を完全に切り離します。皮下組織と筋肉が十分確認できる状態なら露出した椎体の上で接合します。あらかじめ背側に余らせた皮膚をトリミングして整え、腹側の皮膚と縫合していきます。
過剰な皮膚の緊張と自傷行為をしっかり防止できれば術部は問題なく治癒します。
尾の感染や腫瘍による慢性的な出血、コントロール不可な自咬症で悩んでいる方はぜひご相談下さい。
獣医師 澤