犬の緑内障
もうすぐ夏の終わりが近づいてきましたね!みなさんくれぐれも体調には気をつけましょう!
今回は犬の緑内障についてお話しします。
◯緑内障とは
眼の前眼房と言われるところにある水(眼房水)が溜まることで、眼の圧力(眼圧)が上昇し、網膜や視神経が障害を受け、その結果眼の痛みや視覚障害を引き起こしてしまう病気です。緑内障には急性緑内障と慢性緑内障があります。前者は発症してから日が浅く、視覚のあるまたは視覚回復の見込みのある緑内障であり、後者は発症してからしばらく経っており、資格の回復が見込まれない緑内障です。
◯主な症状
- 目が痛そう(目を擦るなど)
- 目が腫れる
- 眼の近くを触られるのを嫌がる
- 白目の充血
- 瞳孔が開いている(散瞳)
- 物にぶつかるようになる(視覚障害)
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
- 嘔吐
◯検査
視診、触診、眼圧測定、スリットランプ検査、眼底検査、超音波検査などから原因を探していきます。続発性のものではぶどう膜炎、白内障、水晶体脱臼、眼内出血、網膜剥離、腫瘍などがあるためこれらを鑑別していきます。
◯治療
緑内障は基本的に進行性の病気なので完治することはなく、一度発症してしまえば治療を続けていく必要があります。また視覚の有無によって治療方針が異なり、急激な眼圧上昇が生じる急性期においては24~72時間以内に治療を開始する必要があります。これを超えてしまうと通常視覚が戻らないと言われています。
1.内科的治療
主に視覚や眼圧の回復を目的として行われます。分類として房水の産生抑制、房水流出促進、硝子体容積減少の3つの作用を単体または組み合わせて点眼薬を行なっています。
2.外科的治療
視覚や眼圧の回復を目的とする場合と、視覚を喪失した症例または視覚喪失してもやむを得ない症例で疼痛除去を目的として行う場合があります。
緑内障においては発症した眼の反体側に予防的に点眼することはありますが、基本的には根本的な予防策はありません。可能な限り早く発見し来院することでより迅速に検査・治療が行えるので、眼に関して気になる症状や見た目の変化があればすぐにご来院ください。
獣医師 日向野