病気
猫のミミダニ
夏も本格的に暑くなってきましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。特に人も動物も熱中症にはくれぐれもお気をつけください!
さて、今回は猫に寄生する虫の1種でミミヒゼンダニについてお話させていただきます。ミミヒゼンダニは大きさ約0.5mmで猫の耳道内に寄生し、耳垢や分泌液などをエサとして繁殖します。多くは出生後に親猫から感染したり、同居猫や野良猫から感染します。
ミミダニに感染すると耳の痒みが悪化し、1日に何回も足で耳を掻くようになり、頭を何度も振り回すようになります。多くの場合耳垢は黒色であり、これはダニの糞や吸血した血液が混入しているためです。
検査としては耳垢を採取し、顕微鏡にて観察されるかどうかを実施します。下の写真のようなミミダニが動いているのが観察されます。
治療としては駆虫薬の投与を行います。けものみち動物病院ではスポットタイプの駆虫薬を使用しています。多くの場合は一回の投与で駆虫できますが、時に複数回の投与が必要となる時があります。また、同居猫がいる場合は同時に駆虫薬を行うことで感染のサイクルを予防することができます。
耳垢がひどい場合は耳の洗浄を行いますが、家で実施する場合は時に耳垢を耳の奥まで押し込んでしまったり、耳道内を傷つけてしまう恐れがありますので十分に注意しましょう。もし、上記で述べた症状で一致する点がありましたら気軽にご来院くださいませ。
獣医師 日向野