病気
結膜下出血について
今回は、白目が真っ赤になる結膜下出血についてお話します。
結膜とは、いわゆる白目の部分を覆っている膜で、外部からの刺激から眼球を守ってくれています。ここには、小さな血管がいくつも通っており、そこに出血が起こることで、見た目が真っ赤になった状態が結膜下出血です。
原因としては、外傷、咳、くしゃみなどの衝撃によって起こることが多いです。これらに心当たりがないか、まずは確認してみましょう。まれな例で、止血異常が原因の場合もあるため、何度も繰り返すようなら血液凝固能の検査が推奨されます。
症状として、白目が真っ赤になるので、すごく心配になりますが、ほとんどは一時的なもので、無治療でも1~2週間で出血した血液が吸収されて、もとの白色に戻ることがほとんどです。また、結膜下の出血では、眼球内部に出血した血液が入るわけではないため、視力低下も基本的には起こりません。しかし、外傷が原因である場合は、その衝撃の種類や強度によっては、網膜剥離やブドウ膜炎、角膜潰瘍なども起こり得るため、それらがないことを確認することは重要になります。また、様々な原因から起こる結膜炎との鑑別も重要です。
よって、単純な結膜下出血だけである確認をするためにも、愛犬でこのような症状が見られたときは、ぜひ一度ご相談ください。
獣医師 木村