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鉄欠乏性貧血
こんにちは!
だいぶ涼しくなってきましたね!暑さから解放されてようやく外を歩くのが楽になりました。夜は寒くなってくるのでくれぐれも体調管理には気をつけましょう!
今回は貧血の原因として色々ある中で鉄欠乏性貧血についてお話ししていきます。
鉄欠乏性貧血とは、ヘモグロビン合成に必要な鉄が欠乏することにより赤芽球の成熟が阻害されることで引き起こされる貧血のことです、ヘモグロビンとは鉄を含むヘムとタンパク質でできているグロビンなら成るもので、全身に酸素を運搬する役割を担っています。
<原因>
多くは鉄の摂取不足ではなく、慢性の失血によって引き起こされます。幼齢では重度のノミ寄生や寄生虫感染(ex.鉤虫)によって起こり、成熟動物では腫瘍や潰瘍などによって慢性に消化管での出血により発症することが多いです。
<症状>
- 粘膜や皮膚の蒼白
- 元気消失
- 頻脈
- 消化管出血による黒色便
- 石を齧ったりコンクリートを舐めたりすることが稀にある
<診断>
主に血液検査にて貧血の程度及び分類を評価します。その他にも血液塗抹にて直接赤血球の形態を観察することで診断していきます。また、原疾患の精査としてその他の画像検査等も実施することが多いです。
<治療>
血液失血の原因を特定し、その原疾患に対する治療を行うことが重要となります。鉄欠乏に対して鉄剤の投与、及びビタミンの投与によって鉄を補充します。重度の場合は輸血が必要になることもあります。
なかなか遭遇する機会の少ないものですが、今回はそんな鉄欠乏性貧血をお題にしてみました。動物がおかしいと感じた時、まずは粘膜の色など確認してみましょう!
獣医師 日向野