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肺線維症
みなさんこんにちは!
今回は猫ちゃんの呼吸器疾患の1つ、肺線維症についてお話しします。
肺は本来空気中の酸素を取り込んで、必要なくなった二酸化炭素を吐き出すガス交換の働きをしています。肺線維症では肺の間質と呼ばれる部分が硬くなって、ガス交換が上手にできなくなって呼吸が苦しくなってしまいます。
原因ははっきりわかっておらず、なんらかの障害によって傷ついた肺を修復する際に線維化や細胞の増殖による壁が厚くなることで肺が硬くなります。
<症状>
- 呼吸困難
- 頻呼吸、開口呼吸
- チアノーゼ
- 咳
- 活力低下
- 食欲不振
また、右心不全を呈している場合は腹水が貯留したり、全身のむくみが見られることがあります。
<診断>
肺線維症の確定診断にはCT検査と肺の生検が必要となります。しかし、CT検査も生検も全身麻酔が必要となるため、検査によって致死的な状態にに陥る可能性があります。
そのため、身体検査、聴診、レントゲン、血液検査などによって暫定診断を行い、治療を優先するケースが多いです。
<治療>
肺線維症の予後は一般的に不良であり、現在は有効な治療法は存在しません。そのため、根本治療ではなく発現する症状の緩和治療がメインとなります。
主な治療
- 抗生剤
- 抗炎剤
- 気管支拡張剤
- 鎮咳薬
- 酸素吸入
また、普段から呼吸に対する刺激物の除去が必要となります。例としてたばこ、トイレの猫砂、香水、芳香剤、ハウスダストなどのアレルゲンが挙げられます。
以上が肺線維症についてでした。残念ながら進行性の病気なので、診断後の管理を獣医師と共に相談しながら治療をしていきましょう!
獣医師 日向野