役立つ話
ノミ・ダニに要注意!
普段の生活のなかではノミやダニに遭遇する機会はそんなに多くないかもしれません。
しかし、ノミやダニは動物を吸血するだけでなく、病気を媒介することもあるため注意が必要です。
今回はそんなノミ・ダニについてお話しようと思います。
ノミ
日本の犬・猫に寄生するノミのほとんどはネコノミといわれています。ネコノミの体長は2〜3mmと小さく、動物の体表から発見するのは難しい場合もありますが、黒い小さな粒(ノミの糞)が見つかればノミの感染を疑います。
また、ネコノミは30cmもジャンプすることができ、そのジャンプ力を使って動物の体に乗り移り、吸血します。
ノミがもたらす疾患
- ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液中に含まれる成分がアレルゲンになり、激しい痒みや湿疹、脱毛などを伴う皮膚炎をおこします。
- 瓜実条虫症
瓜実条虫はノミの中に寄生しています。このノミを犬や猫がグルーミングの時などに食べることで感染します。感染すると、糞便中や肛門の周囲に瓜の実に似た虫体の一部がたくさん排泄されます。人にも感染する、人獣共通感染症の一つです。
マダニ
マダニは吸血と脱皮を繰り返し成長していきます。吸血する際にマダニの唾液中に含まれる病原体が動物の体内に入ることで病気が伝播されます。
マダニがもたらす疾患
- SFTS(重症熱性血小板減少症)
SFTSは2011年に命名された比較的新しい感染症で、人にも感染する病気です。SFTSウイルスを保有するマダニに吸血されたり、感染動物に咬まれるまたは体液に接触することで人へ感染します。人や動物での致命率が高く、感染者数も年々増加傾向にあるため、非常に注目されている病気です。
- 犬バベシア症
バベシア原虫が赤血球に寄生し、破壊します。バベシア原虫に感染した犬には、貧血、発熱、食欲不振などの症状が現れ、急性の場合は黄疸や衰弱によって死に至ることもあります。
このような病気にかかってしまわないためには、予防が大切です。
ノミやダニは、散歩で草むらなどに入るわんちゃんに感染したり、人についてきたノミやダニが家の中で動物に感染する可能性もあります。そのため、散歩に行くわんちゃんはもちろん、家の中にいるねこちゃんもしっかり予防しましょう!
ノミダニ予防薬は様々な種類がありますが、詳しくは次の機会にお話ししたいと思います。
獣医師 茶谷