病気

気管・気管支軟化症について

こんにちは、獣医師の木村です。この夏は猛暑で暑すぎるのでほとんど家に引きこもっています。インドでは49℃まで上昇したようですね。熱中症を疑う患者さんもちらほら出てきているので、みなさんもお気をつけてお過ごしください。

そんなこんなの猛暑で、ワンちゃんもお散歩時間が短くなり運動不足になって体重が増えてしまった、なんてご家庭もあるではないでしょうか。今回は、肥満でも悪化しやすい病態である、気管・気管支軟化症をご紹介します。

気管・気管支軟化症とは?

特定の原因によって、息を吐くときに気道内圧が気道外圧よりも低下することで、気管の一部が気道内に陥入してしまって、その刺激により慢性の咳が出る疾患です。

原因

主に2つが原因で挙げられます。一つは、慢性気管支炎などの炎症性疾患です。もう一つは、心拡大(心臓病で心臓が大きくなること)、肝臓腫大、そして肥満などによる「胸膜腔内容積制限効果」による末梢気道閉塞に伴う呼気努力であると考えられています。小型犬に発生しやすく、猫ではほとんど発生しません。

症状

・息を吐きにくそうにしている(呼気努力)

・慢性の咳

・息を吐いた時の異常音

診断

・胸部X線:太い気管、気管支に発生していた場合に検出できます。

・CT検査:気管支がどの部位でどの程度虚脱するか評価できます。

・気管支鏡検査:気管支の虚脱率や範囲を直接観察できます。

・透視検査:呼吸に伴う気道の動きをリアルタイムで評価できます。

治療

症状が重い場合は、クーリング、酸素投与、気管支拡張剤などで安定に努めます。

そして、同時に原因となっている病態を確認し、その治療も行います。早期に原因を排除できた場合は症状の改善を見込むことができます。

・心臓病→循環器治療 

・肥満→体重減量

・慢性気管支炎→気管支拡張剤、去痰剤など

さいごに

多くは慢性の咳から診断されることが多いので、なんか咳が多いなと思ったら早めに受診することが重要です。特に高齢のチワワちゃんでは心臓病を抱えていることも多く、そこから心臓病も見つかることも少なくありません。また、冒頭でもお話ししたように、肥満を解消するだけでも症状が緩和する場合があるため、日頃から肥満にならないよう気を付けることが大事になります。

今年の夏は特に暑いですが、一緒に乗り切っていきましょう!

獣医師 木村