病気
ヘルペスウイルス関連性角膜疾患
こんにちは、今回から何度か眼の疾患について触れたいと思います。
今回は、ヘルペスウイルス関連性角膜疾患についてお話します。
角膜の病気で多いものが「角膜潰瘍」というもので、そのほとんど外傷性であり、治療は早ければ5〜7日で治癒することが多いです。
しかしながら、角膜潰瘍の中でも特徴的なのが、猫ちゃんの猫風邪で有名なヘルペスウイルスが関連したものになります。
角膜の傷は、フルオレセイン染色という特殊な液で染めて診断します。以下の画像は、ヘルペスウイルス関連性角膜潰瘍が疑われた症例です。
よく地図上に傷が広がるというような表現がされることが多く、この子もそのような特徴が認められます。
通常の角膜潰瘍の治療に加えて、抗ウイルス作用のある薬を使用して制御していく必要があります。
長期間放置されると角膜の状態が悪化して、眼瞼癒着、角膜黒色壊死症、好酸球性角膜炎などに発展してしまい、治療がより複雑かつ困難になることもあります。
いわゆる猫風邪の症状で、眼のしょぼつきや目ヤニ、涙がひどくなるということは経験されることがあると思います。その際に、一度角膜の傷がないかを見させて頂くことで、より迅速に治療できます。
猫ちゃんの透き通った、きれいな眼をより長く、そして健康に保ってあげるため、それとなにせ角膜潰瘍はとても強い痛みを伴う疾患でもあるので、このような症状が見られたときは、1日でも早く受診することをおすすめします。
獣医師 木村
(僕は角膜潰瘍の痛みで39.0℃の熱が出たことがあります…)