病気

耳血腫って?

こんにちは!今回はさっそく耳血腫についてお話していこうと思います。

<病態>

耳血腫とは、耳にある軟骨の耳介軟骨膜と耳介軟骨の間、あるいは耳介軟骨内に血様漿液が貯留して耳が腫れてしまう疾患です。原因としては主に耳介に強い衝撃が加わることで発症します。根本として、アレルギーや真菌(特にマラセチアと言われるカビの1種)、耳ダニ感染によっての外耳炎から併発することがあります。

<症状>

・急に耳が腫れる
・耳が垂れる
・しきりに耳を気にする
・頭を振る

特に、耳が腫れていることに気付かれることが多いです。

<診断>

主に耳が腫れているかどうかで診断することが多いですが、上記にあるような外耳炎の基礎疾患がないかの検査や、また腫瘍などとの鑑別を行います。

<治療>

初めはまず腫脹部位に針を刺して、耳血腫の内容物を吸引します。その後、炎症や痛みを緩和する目的での副腎皮質ホルモン製剤を投与します。これで一時的には症状は改善されますが、再発することも多いです。何度も繰り返してしまう場合は外科手術を行います。耳介の複数箇所に穴を開けて、皮膚と軟骨を縫い合わせることで液体が貯留しないようにするものです。多くの場合これで改善されますが、時に手術していない部位に耳血腫ができてしまうことがあります。

以上が耳血腫になりますが、これはある日突然耳が腫れていることに気づくものであり、もしお気付きでしたらぜひ一度ご来院くださいませ。

獣医師 日向野