病気
ぶどう膜炎
こんにちは!
普段からワンちゃんネコちゃんと接している時に、眼に異変を感じることはあると思われますが、今回はその中でもぶどう膜炎についてお話ししようと思います。
ぶどう膜炎とは
ぶどう膜はいわゆる茶色目の部分から奥に広がる虹彩、毛様体、脈絡膜の総称です。このぶどう膜に炎症が起こることで様々な病態を引き起こします。

原因
ぶどう膜炎は眼疾患が元になって続発する場合と、全身性疾患が元になって続発する場合があります。
眼疾患が元になって続発するぶどう膜炎
- 角膜潰瘍や角膜穿孔
- 強膜炎
- 緑内障
- 白内障
- 水晶体脱臼
- 網膜剥離
- 眼内腫瘍
全身性疾患が元になって続発するぶどう膜炎
- 感染症(細菌、ウイルス、原虫など)
- 内分泌疾患(糖尿病、高脂血症、甲状腺機能亢進症など)
- 免疫介在性疾患(水晶体起因性ぶどう膜炎、ぶどう膜炎皮膚症候群、免疫介在性ぶどう膜炎など)
- その他、リンパ腫、子宮蓄尿症、放射線治療の影響、薬物の副作用など
症状
- 充血
- 眼がしょぼしょぼする
- 流涙
- 縮瞳
- 眼が白く見える
など病態によって様々ですが、重度であれば白内障や緑内障となり失明する恐れもあります。
診断
基本的には眼の検査(スリットランプ検査、眼圧測定、眼底検査、時にエコー検査)を行います。特に両側性のぶどう膜炎では全身性疾患が原因となっている可能性が高いので血液検査などを追加することもあります。

上の画像はスリットランプ検査にて前房フレアという角膜と水晶体の間の空間に存在する液体が、光線によって白く映し出されているものが認められました。
治療
様々な原因で引き起こされる病態であるため、根本の病気に対しての治療と、眼自体の炎症を抑える治療を行います。抗炎症剤の点眼または投薬、抗生剤の点眼または投薬を中心に病態に応じて追加治療を実施します。コントロールが不可能な症例では外科的な対応が取られることもあります。
以上がぶどう膜炎についてでしたが、放っておくと失明につながることもあり、皆さんも普段から眼の状態は観察してあげてください!
獣医師 日向野