病気

精巣腫瘍

こんにちは、今月は未去勢のわんちゃんで時々遭遇する精巣腫瘍についてお話しします。

以前のブログで潜在精巣についてお話ししたことにもつながる内容なので、よければそちらもご覧ください。

精巣腫瘍とは?

精巣腫瘍は、特に潜在精巣の子で発生率が高く、正常に下降している精巣の子と比較して13.6倍も高くなるとされています。

発症年齢は、通常は10歳以上の高齢犬で多くなりますが、前述した潜在精巣の場合は、それよりも若いときにも発症する可能性があります。

主に、精上皮腫、セルトリ細胞腫、間細胞腫が多く発生します。一般的には良性ですが、種類によっては、10~20%ほどの割合でリンパ節や、肝臓、肺などに転移する場合があります。

診断

診断は、主に精巣の視診と触診での左右不対称が認められることが多いです。重症になると、腫瘍からの異常なホルモン産生による影響で骨髄抑制が起こり、好中球減少、貧血、血小板減少が発生することもあります。

治療

治療は、多くは外科的に精巣を摘出すれば予後が良好ですが、まれに転移症例や骨髄抑制か起こっている症例では予後が悪いことがあるので注意が必要です。転移した場合は、術後に化学療法を行う場合もあります。

最後に

お話ししたとおり、多くは精巣摘出のみで治療できるので、ご家族のわんちゃんが潜在精巣の診断を受けていた場合は、早期の去勢手術をおすすめします。

最近では、純血のねこちゃんでも潜在精巣を多くみるようになったので、これからねこちゃんでも潜在精巣に起因する精巣腫瘍が増えないことを願っております。