病気

皮膚の肥満細胞腫

こんにちは
今月は皮膚の悪性腫瘍の1つである肥満細胞腫についてお話します
肥満細胞腫は皮膚腫瘍の15%程度を占める腫瘍で9歳前後の避妊メスに好発します
ちなみに…
わんちゃんでは
一位:雑種犬、二位:パグ、三位:L.レトリバー、四位:G.レトリバー、五位:柴犬…
の順で多いというデータがあります
猫ちゃんでは
小さいものが多発する傾向にあり、Grade分類では低悪性度の割合が多いと言われています
(脾臓が原発となっていて、そこからタネを撒くように多発しているケースもあります)

基本的には外科切除(+必要に応じて抗がん剤)による治療が一般的です
外科切除の注意点
腫瘍の辺縁から2cm以上の側方マージン+筋膜1枚分の深部マージンが必要
(つまり通常よりも大きく切除する必要があります)
化学療法の選択
c-kit遺伝子に変異がある場合:イマチニブやトセラニブなどの分子標的薬が推奨されます
c-kit遺伝子に変異がない場合:ビンブラスチン+プレドニゾロンが最適
※腫瘍が大きく外科切除が困難な場合はネオ・アジェバンド療法
化学療法を先行することで腫瘍を切除可能な範囲まで縮小させてから外科切除する方法です

以上、簡単にですが肥満細胞腫の紹介となります
自宅のわんちゃん、猫ちゃんで体表に腫瘤があった場合はお気軽にご相談くださいね

獣医師 澤