レッグ・カルベ・ぺルテス病について
こんにちは、今月はレッグ・カルベ・ぺルテス病についてお話ししたいと思います。
この病気は、トイ腫や小型犬に多く見られる大腿骨頭の虚血性壊死のことをいい、4~11カ月齢の若齢の小型犬で多く発症することが知られています。
この病気にかかると、骨が壊死していくことで大腿骨頭や骨頚部が変形してしまい、病気になった肢を地面に着けるのを避ける動作が見られます。(負重性跛行症状)
原因
原因は、解剖学的構造の問題や大腿骨頭の梗塞、遺伝的要因の関連など様々なことがいわれていますが、はっきりとわかっていません。
症状
症状は、6~8週間かけて徐々に跛行が悪化し、進行するとまったく肢をつかなくなる場合もあります。小型犬では、膝蓋骨(パテラ)内包脱臼や前十字靭帯断裂でも同様の症状を示すため、その鑑別が重要になります。
診断
診断は、触診では痛みや関節音、進行してくると大腿筋の萎縮などが認められます。特に重要なのはX線検査であり、典型例では、骨が溶けて変形している所見が認められます。しかし、初期では異常がでないこともあるので、何度か再検査を実施することで評価する場合があります。
治療
治療は、基本的には外科治療が推奨されます。安静や鎮痛剤などの内科治療で改善が認められるのは、25%にも満たないといわれています。
症状の回復には、大腿骨頭切除術や股関節全置換術などの外科手術を行います。
ある程度の機能が回復するには、一般的に2~8カ月とそれなりの期間が必要です。
その間に、患部のマッサージや屈伸運動、歩行練習などリハビリテーションを行います。
さいごに
この病気は、その他の小型犬の好発疾患と症状がよく似ていて、非常に鑑別が重要になります。多いのは、パテラ(膝蓋骨内包脱臼)かな?と思って放置していたらこの病気だったというパターンだったりします。わんちゃんが後ろ足を挙げて歩く動作が見られる場合は、いつでもご相談ください。
獣医師 木村(O脚)