病気
逆くしゃみ
わんちゃんが突然「ズーズー」や「ガーガー」などの音を鳴らし、呼吸困難のように見える状態になったことはありませんか?
その症状はもしかすると逆くしゃみかもしれません。
逆くしゃみの時の様子としては、首を前方に伸ばし、目を開き、起立した状態であることが多いようです。また、症状は通常は数秒から1分程度で治まります。
逆くしゃみとくしゃみの違い
くしゃみが鼻から外に空気を吐き出す反射であるのに対し、逆くしゃみは鼻から息を吸い込む反射です。
逆くしゃみの特徴として
・吸気時であること(胸が膨らんでいる)
・口を閉じていること
が挙げられます。
逆くしゃみと違って、咳やくしゃみは呼気時であり、多くの場合は閉口しています。
もし、判断に迷った場合は、胸や口元が映るように動画を撮って見せてください。
逆くしゃみが生じるメカニズム
逆くしゃみは、鼻咽頭という部分の粘膜に炎症や浮腫、機械的な刺激が生じることで反射的に生じます。
鼻咽頭とは、鼻腔の奥から食道へと続く部分です(下図参照)。
具体的な原因として、鼻炎、異物、空気中の刺激物、腫瘍などが挙げられます。
病的な逆くしゃみとは
多くの場合、特にチワワやポメラニアンなどの小型犬の若齢犬では生理的な逆くしゃみが生じるとされています。その場合、基本的には検査や治療は必要ありません。
しかし、頻度が増加する傾向がある場合や、1日に何回も見られる場合、中高齢になってから生じる場合は病的な可能性があります。病的な逆くしゃみの場合は、原因の診断や治療が必要となります。
逆くしゃみは生理的に起こることもありますが、あまりにも頻度が多い場合や、鼻血や鼻水などの他の症状がある場合には一度ご相談ください。
獣医師 茶谷