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臍ヘルニア
臍ヘルニアとは、臍(へそ)の下にある筋膜が閉じなかったために、臍の部分から皮膚の下に脂肪や腸が突出している状態のことです。いわゆる「でべそ」です。
多くは先天的で、さらに遺伝的であることがわかっています。(まれに強い衝撃や手術での閉鎖不全などにより後天的に発生する場合もあります。)
ペットショップにおける犬の臍ヘルニアの発生率は0.6%という報告があります。また、猫でも発生します。
症状
症状は、穴の大きさや突出している臓器や組織によって異なります。
穴が小さくて、突出しているものが脂肪であれば、押すと簡単にお腹の中に引っ込み、痛みもほとんどありません。
しかし、腸管や腹腔内臓器が穴に挟まり込んでしまい、押しても腹腔内に戻らなくなる場合があります。このようなヘルニアの場合、痛みを伴うため、食欲不振や腹痛などの症状が現れることが多いです。
治療
痛みがない臍ヘルニアの場合、生後6か月までは自然に閉鎖することもあるため、6カ月齢までは経過観察します。
それでも自然に閉鎖しない場合は、手術で整復を行うことが推奨されます。未避妊・未去勢の若齢犬・猫では、避妊去勢手術と同時に整復を行うことで、麻酔をかける回数を抑えて負担を軽減できます。
一方、痛みがあり、押しても戻すことが出来ないようなヘルニアでは緊急手術が必要になる場合もあるので注意が必要です。
さいごに
臍ヘルニアの多くは先天的なものであるため、予防することはできない病気です。
わんちゃんやねこちゃんを日頃からよく観察してあげて、少しでも気になることがあればご相談ください。
獣医師 茶谷