病気

浅趾屈筋腱脱臼

浅趾屈筋腱はアキレス腱を構成する組織のうちの一つで、大腿骨の裏側から始まり、踵骨の正中を通って足先まで続いています。

この腱が踵骨の内側もしくは外側に変位してしまうことで浅趾屈筋腱脱臼が起こります。

疫学

中高齢の小型犬や大型犬で多く、
好発犬種はシェットランド・シープドックとコリー種ですが日本ではトイプードルが多いそうです。

症状

後ろ足をかばうように歩いたり、足を引きずって歩くなど歩行の異常が認められます。

診断

触診では踵骨の周りの腫脹が認められます。また、浅趾屈筋の可動を感じられることもあります。
レントゲンでは踵骨尾側の軟部組織が腫れていることがわかります。

下の写真は浅趾屈筋腱脱臼の犬の後ろ足のレントゲンですが、

治療

治療は内科療法と外科療法の2つに分けられます。
内科療法では鎮痛剤を用いたり、運動制限を行います。
内科療法で症状が改善しない場合は外科的に脱臼した腱の整復が必要になりますが、外科手術の予後は一般的には良好です。

獣医師 茶谷