病気

犬のレプトスピラ症

レプトスピラ症は、犬や人に感染する病気で、世界中で人や犬への感染が確認されています。
今回は、犬のレプトスピラ症の症状や予防法について紹介します。

レプトスピラ症の概要

レプトスピラ症はLeptspira interrogans などの細菌によって引き起こされる病気です。
発生は日本を含む全世界で認められており、特に温帯、亜熱帯、熱帯地域に多くみられます。近年の地球温暖化により、発生地域が北上していることや、レプトスピラを媒介する動物であるネズミが都市部で増加していることで、レプトスピラ症は増加傾向にあります。

症状

犬がレプトスピラに感染すると肝臓や腎臓が障害を受けることがあります。そして、発熱、多尿、多飲、食欲不振、黄疸などの症状が認められます。重症化すると死亡することもある危険な病気です。

感染経路

レプトスピラはネズミなどの野生動物の尿中に含まれています。そのため、レプトスピラに感染した動物の尿に触れたり、汚染された河川の水を飲んだり、川の中に入ることで感染する可能性があります。

治療

特定の抗菌薬の投与に加えて、肝障害や腎障害に対しての支持療法を行います。

予防

レプトスピラ症の予防にはワクチン接種です。
犬のレプトスピラ症のワクチンは、1年に1回の接種が推奨されています。ただし、レプトスピラには複数の血清型があるのですが、ワクチンにより含まれている血清型が異なるため、ワクチンを接種していても血清型のことなるレプトスピラ症に感染する可能性がある点には注意が必要です。
また、感染源となるネズミがいそうな場所や河川をなるべく避けることも大切です。

当院でもレプトスピラを含むワクチン接種が可能なので、お気軽にお問い合わせください。

獣医師 茶谷