病気
上皮小体機能低下症
前回に引き続きホルモンの病気『上皮小体機能低下症』についてお話しします。上皮小体について、またその亢進症については先月のブログをご覧ください。
上皮小体機能低下症の原因
先天的に上皮小体の形成不全を起こしていたり、甲状腺の機能異常や癌の時に、甲状腺摘出時に同時に上皮小体を切除することによって引き起こされます。また、外傷によって引き起こされることもあります。上皮小体の機能低下によって上皮小体ホルモン(PTH)の分泌が低下し、低カルシウム血症によって症状が発現します。
症状
- 痙攣発作
- 振戦
- 筋攣縮
- 顔面や四肢端を舐めたり擦ったりする(知覚異常)
- 歩様異常
- 食欲不振
- 嘔吐、下痢
- 白内障
上記のように重度の低カルシウム血症によって重篤な症状を示すことがあります。
診断
低カルシウム血症を引き起こす他の疾患の除外を行ったのち、確定診断として低カルシウム血症、高リン血症の際に血中PTH濃度を測定することで診断します。
治療
重篤な症状を示す重度のカルシウム血症の場合は、速やかに静脈にカルシウム製剤の投与を行います。その後数日の入院を経て最終的に投薬での管理に切り替えます。
維持期ではカルシウム製剤、ビタミン製剤、サプリメント、食事管理にてカルシウムをコントロールします。時に投薬が必要ない場合もありますが、多くの症例で長期投与が必要になります。
重度の症状を示してから初めてこの病気を疑うことが多いので、症状が一致する場合はすぐに近くの病院を受診しましょう!
獣医師 日向野