役立つ話病気

わんちゃんのワクチンで予防できる病気〜その3  犬アデノウイルスⅠ型〜

犬アデノウイルスとは

犬アデノウイルスには

  • Ⅰ型
  • Ⅱ型

があります。

このうちⅠ型
「犬伝染性肝炎(Infectious Canine Hepatitis)」を引き起こします。
(Ⅱ型は次回解説します。)

感染経路(どうやって感染するのか)

感染経路は主に

感染犬の

  • 尿
  • 唾液
  • 鼻汁
  • 便

などから感染します。

感染力が強く、
犬同士の接触や環境汚染によって広がります。

さらに、回復後もしばらく尿中にウイルスを排出することがあります。

症状

症状は軽度から重度までさまざまですが、

  • 発熱
  • 元気消失
  • 食欲低下
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛
  • 黄疸
  • 出血傾向

などが見られます。

重症例では

  • 肝不全
  • DIC(播種性血管内凝固)
  • 神経症状
  • 急死

を起こすこともあります。

ブルーアイとは

犬アデノウイルス1型で特徴的なのが、
角膜が青白く濁る「ブルーアイ」です。

これは免疫反応によって眼に炎症が起こることで発生します。

すべての症例で見られるわけではありませんが、
発症すると非常に特徴的な症状です。

治療

残念ながらアデノウイルスを直接殺す特効薬はありません。

そのため治療は

  • 点滴治療(脱水補正)
  • 吐き気止め
  • 抗生物質(細菌感染予防)
  • 栄養管理
  • 集中管理

といった「対症療法」・「補助療法」が中心になり、重症例では入院管理が必要になります。

予防

現在の混合ワクチンには、
犬アデノウイルスに対する予防成分が含まれています。

実際には副作用軽減のため、
多くのワクチンでは
犬アデノウイルス2型を利用して1型にも免疫をつける
方法が採用されています。

そのため、混合ワクチン接種によって
犬伝染性肝炎をしっかり予防できます。

子犬の場合は、生後6〜8週齢から3〜4週間隔で複数回接種することが重要です。

母犬からの免疫(移行抗体)が残っている間は、
1回の接種では十分な免疫がつかないことがあります。

そのため、複数回のワクチン接種スケジュールがとても重要です。

まとめ

犬アデノウイルス1型感染症(犬伝染性肝炎)は、

  • 肝臓を中心に全身へ障害を起こす
  • 重症化すると命に関わる
  • ブルーアイを起こすことがある
  • ワクチンで予防可能        な感染症です。

現在では発症数は減っていますが、それはワクチンによって守られているからです。

そして何より、ワクチン接種で大切な命を守りましょう。

大切なご家族であるワンちゃんを守るために、定期的なワクチン接種はとても大切な健康管理の一つです。
「うちの子は今ワクチンが必要?」
「何種ワクチンを打てばいいの?」
「副反応が心配…」      など、気になることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

獣医師 佐藤